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労働組合の役割と企業の発展

 組合は、労使懇話会など機会あるごとに「緊張感ある健全な労使関係」を築く必要性を述べている。一般的に労働組合の組織率が20%を割るという状況をがあり、改めて労働組合の役割について言及したい。
 職場の労働条件を改善することは働きがいを充実させるとともに、意欲的に社会的な貢献をすることを可能にする。積極的な労働組合運動をすることは企業にとってもプラスになると確信している。コンプライアンスや企業倫理など企業の社会的責任は、当行も長期経営計画にも盛り込まれるなど経営にとっても重要な事項である。以前にも申しあげたが、食品の偽装表示をはじめとする企業の不祥事をなぜ防げなかったのか、この答えは労働組合のチェック機能が正しく働いていたかどうかではないか、と私たちは考える。ただ、日本では一般的な労働者は上司など上役の目を気にしてまともにものが言えないのが実情である。その点、労働組合は労使対等の立場から、注意・忠告することは可能である。それが企業の風評リスクを回避することにもつながり、企業価値の向上にもつながることと確信している。こうしたことは企業の不祥事がある都度申し上げてきている。ただ、金融機関でも未だにリスク商品の販売で明らかにコンプライアンス上問題のある販売をしているケースが発生し、金融庁が検査で指摘するという事態が起こっている。当行も対岸の火事でなく、先日保険商品の無対面販売が発覚し処分されている。まだ他にもないのかといえば分からないのが実態だと思う。常識的に考えられないことが起こっている。こうしたリスクをどのように捉えて回避するのか。従来から研修は十分されており、加えて外部団体の試験も受験し販売資格の登録までしている。今回、経験が少ないから全面的に悪いと言えないというのが人事部から聞いた説明であったが、経験のない行員にリスク商品の販売をさせるところに経営の哲学が見えない。また、常に組合から申しあげているが、リスク商品のノルマ販売、ノルマでなくとも過大な目標設定することがこうしたリスクにつながることを検討されていると考えるが、具体的にどのようなことを検討されているのかお聞きしたい。外交や店頭など販売推進の担当者は、自らの評価がその目標達成と大きくかかわってくることを必ず意識している。お客様に喜んでいただける商品販売でなく、自分の目標達成が中心にくれば、必然的にコンプライアンス上問題となる事故が発生すると考える。
 また、組合はノルマ販売を問題視しているが、ニーズに応えるという経営の回答は100点満点である。ただ、職場では自主目標でなくノルマがあって、それに基づいて支店、担当者の目標となる。そうしたことから起こる問題もあると考える。自分の成果と連動する部分もある。その店を改善しないと問題が起こるリスクはなくならないと考える。
(2013年8月 労使懇談会での主張)
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